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【これさえ読めばOK】AI時代に強いホームページへ。LLMO対策5つの方法

みなさんは最近、「Googleで検索するよりChatGPTなどのAIに直接聞いたほうが早い」と感じたことはありませんか?
実はこれ、実はこれ、「ゼロクリック検索」と呼ばれるWeb検索の大きな変化につながっています。

ゼロクリック検索とは、検索結果画面やAIの要約だけで知りたいことが解決してしまう現象。
ひとつひとつリンクをクリックしてホームページを確認しなくてもよいので、ユーザーにとっては重宝する機能です。
ですが、企業の経営者にとっては「せっかく作ったホームページに訪問されない」という新しい課題が生まれます。

こんにちは。Webディレクターの白藤沙織です。
私はおもに、中小企業のホームページ制作・Webマーケティングの支援をしています。

実際に海外では、すでに「約6割の検索がクリックされないまま終わっている」という調査結果が出ています。(アメリカでは58.5%、EC諸国では59/5%と言われています。引用元:
SparkToro:https://sparktoro.com/blog/2024-zero-click-search-study-for-every-1000-us-google-searches-only-374-clicks-go-to-the-open-web-in-the-eu-its-360/

日本ではまだ明確な統計は出ていませんが、同じ流れに進むと予測されます。

つまり、「SEOで上位表示されれば安心」という時代は、企業の経営者は「過去のものになる」と思った方がよいです。
そして今、経営者が考えなければならないのは「AIにどう取り上げてもらうか」という新しい視点です。

今日は、中小企業ですぐにできるLLMO対策を整理しました。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

今話題のLLMOとは?

LLMO(Large Language Model Optimization、大規模言語モデル最適化)とは、簡単にいうと、「検索エンジン向けのSEOを、生成AIにも対応させたもの」と考えるとわかりやすいと思います。つまり、生成AIが回答をだすときに、みなさんの会社のホームページが参照元として取り上げられるようにする施策です。

LLMOが注目される大きな理由のひとつは、検索結果にAIが導入されたことです。
最近のGoogle検索では「AIによる要約(AI Overviews)」が表示されるようになり、ユーザーは検索結果をクリックせずに、その場で答えを得られるようになっています。

これまでは、ホームページの集客の柱は「検索エンジンで上位表示されること=SEO」でした。
生成AIが普及したこれからは、「AIに取り上げてもらうこと」が新しい集客の軸になっていきます。このWeb検索の変化によって、重要な施策が「LLMO(大規模言語モデル最適化)」です。

【基礎の基礎】なぜLLMOが中小企業にも関係あるの?

ユーザーがAIに質問すると、AIはインターネット上にある数多くのホームページの情報を組み合わせて答えを生成します。
このとき、みなさんの会社のホームページが「正しい情報源」として認識されていれば、AIが引用したり内容を要約して紹介してくれます。

つまり、LLMOとは「AIが自社の存在を正しく覚えてくれるように、ホームページを整えること」なのです。
採用や広報でホームページを活用している中小企業にとっては、認知拡大や信頼獲得につながる大切な取り組みだと言えます。

【混同しがち】SEOとLLMOの違いをシンプルに整理

SEOとLLMOは似ている部分も多いですが、役割は少し違います。

SEO:Google検索で上位に表示されるように整えること
LLMO:AIに理解され、回答の根拠として使われるように整えること

共通点は、「ユーザーに役立つ情報を提供することが最優先」であること。
違うのは、「相手が検索エンジンなのか、AIなのか」ということです。

ふたつの違いを簡単に表にまとめると、次のようになります。

観点 SEO(検索エンジン最適化) LLMO(大規模言語モデル最適化)
目的 Google検索で上位に表示され、自社のホームページの訪問数を増やす AIに「正しく理解・引用」され、回答の根拠に使われる
期待するユーザーの行動 検索結果画面からクリックして、自社のホームページやブログに訪問してもらう AIの回答に、会社名・サービスや商品の情報が反映され、信頼度や認知度を高める
対策の方向性 キーワードの最適化、内部リンク、被リンクの強化、ページ速度の改善 企業情報の整理、FAQの充実、実績や一次情報の発信、整合性あるデータ公開
成果の指標 検索順位、クリック数、セッション数、コンバージョン率 AIに引用・参照される回数、AIからのセッション数、ブランド認知
成果の確認 GA4などのアクセス解析で可能 明確な手法は、まだ確立されていない

SEOは「検索エンジンでクリックを集めること」、LLMOは「AIに理解され、答えに含まれること」を目指すものです。
目的は違いますが、本質は「ユーザーに役立つ情報を提供すること」です。
また、LLMOはSEOが土台になっています。
先に書いたように、ホームページの情報を大量に学習していますし、AIは回答を生成するときにホームページを検索しにいくからです。
このとき、検索順位1位の記事と100位の記事では、やはり情報の質が違うと判断されます。そして引用される確率が高いのは、検索順位が高い方のホームページになると言われています。

ですので、現時点で経営者にとって大切なのは、SEOとLLMOを別物と考えて焦ることではありません。
「これまでの情報発信をAI時代に合わせてブラッシュアップする」くらいの意識で取り組んでみましょう。

【今日から実践】LLMOでAIに強いホームページに育てる5つの方法

LLMO対策は、難しい技術や新しい投資が必要なものではありません。
むしろ、これまでのホームページ運営を「AIに理解されやすい形」に整えることが大切です。
また、みなさんの多くが「AIに自社のホームページが引用されれば成功」と思いがちですが、実際にはそれだけではありません。
AIは回答をつくるときに、必ずしもすべての参考元を画面に明記するわけではないからです。

つまり、引用元が表示されなくても、みなさんの会社の情報がAIの回答の背景に使われているケースは多々あります。場合によっては、業界の比較基準にも使われることがあります。
ですので、AIに取り上げられやすい下地を作るたるめにも、LLMOに取り組むことをお勧めしています。

ここでは、中小企業でもすぐに取り組める5つの実践方法を紹介しますね。

【会社の基礎体力】企業情報を整えてAIに「正しく覚えてもらう」

AIに会社を正しく理解してもらうには、まず「公式ホームページ」の基本情報をしっかり整えることが重要です。
具体的には、会社情報ページを整えることです。
会社概要、所在地、代表者名、事業内容、沿革といった情報が不十分だと、AIが誤って他社と混同したり、信頼度を低く判断する可能性があります。
代表者のプロフィールや、企業の実績も含めて情報を増やしておきましょう。
これを専門用語で「エンティティ対策」と呼ぶこともあります。

  • 権威性や信頼性を重視するAIには、情報提供のブログ単体よりも「公式ホームページ」の方が取り上げてもらいやすくなります。
  • 会社情報ページは、ホームページの中でも軽視される傾向にあるので、この機会に見直してください。更新日もさりげなく書いておき、「情報が最新である」ことを表記しておきます。
  • SNSやGoogleビジネスプロフィールとも、会社情報を一致させましょう。

【専門分野を明確に】一貫性がAIからの信頼を高める

AIは「この会社はどんな専門分野を持っているか」を、ホームページ全体の一貫性から判断します。
ですので、製造業なら「製品技術」「実績紹介」を中心に、地域密着型なら「地元での活動」を継続的に発信することが大切です。
複数の事業を展開していて、その分野がまったく違う場合は、思い切ってホームページを2つにするとよいでしょう。

  • ホームページ全体のテーマが、ブレないように注意しましょう
  • 中途半端に情報を広げすぎず、「得意領域」に集中してコンテンツを作ると、AIにも理解しやすいホームページになります。
  • 自社の専門性が伝わる用語や事例を入れていきましょう。

【よくある質問を強化】AIはFAQから答えをつくる

AIはユーザーの質問に答えるために、「FAQ」「よくある質問と答え」のページを参照します。
「採用」「製品の使い方」「料金体系」など、みなさんの会社に寄せられる質問を整理してFAQページを作ってみましょう。

  • 文章は短めで、AIにもわかりやすく書くことがコツです。
  • 専門用語には補足説明をつけておきましょう。
  • 実際にお客様が質問するときに使っている言葉に近い表現で書きます。

【経験は資産】実績やエピソードなど「一次情報」を追加する

AIは、回答の正確さ・差別化・根拠づけのために「一次情報」を重視します。
一次情報とは、その情報を最初に発信した人・組織から直接得られる情報をのことを指します。AIはメディアや第三者がまとめた情報よりも、当事者の発信を優先します。
ですので、みなさんの会社の実績・事例やお客様の声、現場での取り組み、社員のストーリーなどは、他社にはない貴重な情報源になります。

  • 実績・事例やエピソードを記事にして掲載します。
  • 情報を追加するときは、写真や数字など具体性を加えるとより効果的です。
  • 定期的に情報を見直し、訂正や追加をして「情報が育っている」状態にしておきましょう。

【今ある発信を整理】新しい投資より「育て直し」が先

「AIに強いホームページ」と聞くと、新しいシステムやツールを導入しなければと思いがちかもしれません。ですが、実はそうではありません。
今まで解説した4つの対策を見ていただいてもわかるとおり、SEOでもポイントだと言われていることでもあります。
ですので、すぐに「新しいホームページに作り直さなきゃ」と思わなくても大丈夫です。
今あるホームページやブログを見直し、情報の整理や更新から始めることが一番の対策になります。

  • 情報が古いページがあるときは、書き直して情報を新しくしましょう。
  • 重複するページがあるときは、統合してシンプルな構造にしましょう。
  • 新しい投資より「今ある発信の整理」を優先してください。

 

【結論】「ホームページを育てる」が一番のLLMO対策

LLMOは「新しい高額ツールを導入する」ような難しい取り組みではありません。
むしろ、これまで続けてきたホームページやブログの更新を、AIに理解されやすい形に整えることが中心です。

経営者のみなさんが意識することは、「新しいことをゼロから始める」より「今あるホームページを育てる」こと。
AI時代は「ただキーワードを埋めて情報を発信するだけでなく、その情報が誰によって、どれだけ信頼できるものか」が問われる時代です。

みなさんの会社の理念、実績、そして日々の積み重ねが、AIを通して多くの人に正しく伝わるようにする。そのための土台作りこそが、今すぐできるLLMOの本質です。まずは自社のホームページを一度見直してみませんか?

ABOUT ME
さおりん
札幌でWebディレクターをしています。 ホームページ制作はもちろん、ブログやSNSを使った発信サポートをしています。