働き方

【年齢のせいではない】管理職のための「年代別やる気スイッチ」取扱説明書

職場にいる一人ひとりの「集中できる環境」が、実はまったく違うとしたら。

20代の部下がスマホばかり眺めて、ちっとも集中していない理由。
30代の部下が「何のために?」と迷ってばかりで仕事に集中できない理由。
そして、50代のあなた自身が、午後になると集中できなくなる理由。

それは単なる性格の違いでも、年齢のせいでもありません。 脳の仕組みと、世代ごとに異なる「集中のやる気スイッチ」のありかにヒントがあります。

年齢もキャリアもバラバラなチームをまとめながら、部下の集中力を引き出しつつ、自分の業務をこなすのは至難の業。管理職のあなたは四苦八苦しているのではないでしょうか?

こんにちは。
札幌でWebディレクターをしている、白藤沙織(しらふじさおり)です。
私は30年以上企業で働いてきて、人間関係やマネジメントに試行錯誤をしてきました。
そんな経験から、すべての働く人が笑顔になれることを目指して発信をしています。

今日は仕事の基本である「集中力」をテーマに、

  1. 自分の集中力を取り戻すヒント
  2. 世代別の「やる気スイッチ」の押し方

をお届けします。

さおりん
さおりん
ぜひ最後まで読んでくださいね。

集中力の本当の仕組み

若い頃は長時間集中できていたのに、最近は午後になると眠気がきて、注意が散漫になってしまう。 これは多くの50代以降の方が感じるお悩みです。

でも、それは本当に年齢のせいでしょうか?

集中力を高める方法は「環境整備」や「タスク管理」が基本になっていることが多いですが、 働く人の年齢や価値観はさまざま。実はそれに合わせた工夫が必要です。

つまり、年齢を理由に集中力の低下をあきらめてしまうのは、ちょっともったいないのです。

さおりん
さおりん
年齢による変化はあるけれど、それがマイナスではないと思うんだ…

集中力は、そもそも長く続かない

研究によると、大人の集中力が続く時間は平均で20〜25分程度だそうです。これは20代でも60代でも変わりません。つまり「若い頃は何時間も集中できた」という記憶は、実は休息と集中を繰り返していただけかもしれないんですね。

つまり、「長時間バリバリ集中して働き続けられる人」なんて、幻想に近いんです。
集中が切れるのは自然なこと。
年齢に関係なく、人間として当たり前の現象なんですね。

年齢ではなく「回復の仕方」の違い

では、なぜ年齢を重ねると集中力が下がったように感じるのでしょう?

その多くは、「昔のままのやり方」に固執してしまうから。

若い頃は体力と気合いで乗り切れていたかもしれません。 でも今は、自分に合った集中スタイルへのアップデートが必要です。

そういうスタンスに立って、

  1. 自分の集中力を整える工夫
  2. 部下の世代別「やる気スイッチ」の違い

を見直してみると、気持ちがラクになりますよ。

さおりん
さおりん
若い頃と同じやり方にこだわらず、今の自分に合った集中スタイルを見つけることがポイントだよ。

 まずは自分自身から:50代からの「集中力の整え方」

では、部下の集中力に気を配る前に、自分の集中力を整える方法から考えていきましょう

50代にはいると、女性はもちろん男性も、体調のゆらぎや更年期の影響で、以前のようにキレよく動けないと思う日が増えてきます。
「前はもっとできていたのに…」と落ち込んでしまうこともあるかもしれません。

でも、50代60代には、経験に基づく知恵を使えます。
若いころの「体力による集中」から、「メンタルを整える集中」に切り替えていきましょう。

午後は「戦う時間」ではなく「整える時間」にする

とくに午後になると疲れてきて、つい居眠りをしてしまう…。
これは多くの50代・60代が感じる現象です。

50代、60代になると、午後に自然と集中力が低下する体内時計が変化するからですね。

なので、この時間帯に無理に高い集中力を要する作業をしようとすると、無理に集中しようとすると、ますます疲れて逆効果。

おすすめなのは、午後の時間帯を「整える時間」と位置づけること。

たとえば、

  • 頭を使わないルーティンタスクをあえて午後に回す
  • 午後の前半に10分だけ目を閉じて「脳のリセット」をする
  • 水分補給を意識的に行う(脱水は疲労感や集中力低下の原因になります)
  • カフェインではなく、香り(レモン・ペパーミント)や自然音でスイッチを入れる

など、小さなリズムチェンジが、集中力を取り戻すきっかけになります。

さおりん
さおりん
カフェインは一気に覚醒して疲れるから、50代・60代にはじわじわと効果がある香や自然音がおススメ

「やることを減らす」より、「やる順番を決める」

管理職になると、とくにやるべきことが増え、タスクが山積みになりがちです。
でも、すべてを完璧にこなそうとするほど、集中力は分散されます。

大事なのは、「全部やろうとしない」のではなく、
「いまやるべきことの優先順位を見える化すること」です。

たとえば、

  • 朝イチで、今日「絶対に終わらせたいこと」をひとつだけ決める
  • 大きな仕事は「25分作業+5分休憩」のポモドーロ方式で取り組む

こんな小さなことを実践するだけでも、1日のパフォーマンスは大きく変わります。

自分に「集中できる人」というラベルを貼る

集中力が落ちてきたと感じると、
「私は集中できない人」と思い込んでしまうことがあります。

でも、実際には、

  • 朝の静かな時間に没頭していた
  • 好きな音楽で集中のスイッチが入った

など、集中できている瞬間はちゃんとあるはずなんです。

だからこそ、あえて口に出してみてください。
「私は集中できる人間だ」
自分にそう言ってあげると、意外なほど集中力の回復につながります。

さおりん
さおりん
自分を責めず、ちょっとずつ「今の私に合うやり方」にチューニングしようね~

世代別・部下の「やる気スイッチ」を押して集中力を高める

さて、自分自身を整えることができたら、次に部下たちをケアしていきましょう。

ただ単に「もっと集中して!」と伝えても、なかなか響きません。

ですので、管理職であるあなたがすることは、
「みんなが同じように集中できる仕組み」ではなく、それぞれの世代に合った「スイッチの押し方」を見つけることです。

20代〜60代までの「集中力の傾向」と「やる気スイッチのヒント」をご紹介しますね。だいたいの傾向をつかんだあとは、その人個人と向き合っていい方向性を見つけてください。

20代:感情と環境に左右されやすい「リアルタイム集中世代」

20代の特徴:

  • 仕事の意味づけや共感がないと集中できない
  • ちょっとした注意でもメンタルが落ちる
  • 「誰と働くか」「どんな空気か」が大事

やる気スイッチのヒント

  • 小さな成功体験を「具体的な成果」として伝える
  • 孤立させず、「一緒にやってる感」を演出する
  • 感情が安定しているときに声をかける(タイミングが命!)

30代:会社の責任とプライベートのはざまで揺れる「マルチタスク疲れ世代」

30代の特徴:

  • 家庭との両立や役職の狭間で余裕がない
  • 一度に多くのタスクを抱えやすい
  • 「それをする意味」が見えないと後回しにしがち

やる気スイッチのヒント

  • なぜ必要なのか理由を添えて、作業の指示をする
  • 優先順位を一緒に整理する時間を作る
  • 「短時間で一区切り」ができる工夫(25分集中+5分休憩など)

40代:自他ともに厳しくなりがちな「コントロール世代」

40代の特徴:

  • 責任感が強く、完璧主義になりやすい
  • できない自分にイライラして集中を乱す
  • 周囲の評価が気になる

やる気スイッチのヒント

  • 小さな「できたこと」に気づいてもらうように言葉がけをする
  • ハードルを上げすぎず、「今の自分にできる範囲」に向き合う
  • 人と比べなくてもよいように、個人目標を作り振り返りをしてもらう

50代:自分への期待と疲労が交差する「切り替え下手世代」

50代の特徴:

  • 過去の実績が基準になり、「できなくなった自分」に落ち込む
  • 集中力に波が出やすく、無理して踏ん張る傾向
  • 自分のやり方を部下にも押しつけがちに

やる気スイッチのヒント

  • 自分を責めず、リズムを大事にするように声がけする(集中→ゆるむ→集中)
  • 「昔の実績」は認めてあげ、それでも「今の時代に合うやり方」を模索するように方向付ける
  • 若い世代の視点に学ぶ姿勢も必要で、柔軟性を育てる重要性を伝える

60代:納得と尊重を大切にする「意味駆動型ベテラン」

60代の特徴:

  • 「何のためにやるのか」が曖昧だと動けない
  • 形式的な指示には反応が鈍い
  • 承認より「役割と存在価値」が大事

やる気スイッチのヒント

  • 「○○さんにお願いしたいんです」と頼るスタンスで依頼
  • 意見を聞く場を意識的に設ける(雑談でもOK)
  • 成果より「意義ある仕事」として伝える

このように、世代ごとの「やる気スイッチ」を理解しておくと、チーム全体の集中力を高めることに役立ちます。

 チームの集中力を底上げする3つの視点

会社は所属している人全員の協力があって、成果を出していく場所です。
誰かひとりががんばるだけでは、限界があります。ここでは、チームとしての「集中力の上げ方」を考えてみましょう。

ここでは、管理職が意識しておきたい、集中力を支える3つの視点をご紹介します。

1. 関係性>ルール:「安心できる場」が集中をつくる

集中力が高いチームに共通していることは、意外にもルールの厳しさではなく、人間関係の安心感です。

  • 発言しても否定されない
  • 小さな失敗でもフォローがある
  • 疲れているときに、気づいて声をかけてもらえる

そんな「心理に安全」な組織では、自然と集中しやすくなります。

まずは管理職のあなたが、
「失敗しても大丈夫」
「今のあなたを受け入れている」
というメッセージを、小さな言葉や態度で伝えることから始めてみましょう。

2. 余白を組み込む:「働く」だけでなく「整える」時間を作る

忙しいチームほど、常に「やらなければならないこと」に追われています。

でも、本当に集中した仕事をするには、「考える余白」と「気持ちを整える時間」が不可欠なんです。

  • 午後の雑談タイムを5分だけ設ける
  • 会議後に「1人タイム」を入れてクールダウンする
  • 仕事の合間に呼吸を整える「リセット習慣」を共有する

こんな小さな余白のある時間が、実は集中の起点になります。

チームであえて「立ち止まる習慣」を作ることで、結果的に成果に直結する集中力が生まれます。やるべきことをあえてやらない空白の時間を作るのは、勇気がいることかもしれません。少しずつ取り入れていきましょう。
必要があれば、あなたの上長にも許可を得ておくといいかもしれません。

3.「やり方の自由」を尊重する

職場の改善でいい方法がみつかったら、全員にすぐに実行してもらいたくなるかもしれません。でも、それはちょっと待ってください。
全員に「同じやり方」を求めると、逆効果になることがあるからです。

集中力のタイプは人それぞれ。

  • 朝に集中する人
  • 一人がいい人
  • 雑談後にエンジンがかかる人

あなたが「こうするべき」「これが効果がある」と思うやり方が、誰かにとっては逆にストレスになることもあるんです。

チームの集中力を底上げするには、
「こうしなさい」と指示するのではなく、「あなたはどうすると集中できると思う?」と聞く姿勢がカギ。

個人の「やり方」を尊重し合える組織は、メンバー同士の信頼も深まり、結果として高いパフォーマンスを発揮します。

 まとめ:「年齢のせい」ではなく、「違いを知る」

集中力が続かない。
部下たちがなかなか動かない。
そんな悩みに直面したとき、つい「年齢のせいかも」「最近の若い子は…」と感じてしまうこともあるかもしれません。

でも、集中力が続かないのは、年齢のせいではなく「やり方」と「理解の違い」によるものです。

人が何かに集中することは、体調や環境に影響されやすいもの。
さらに世代ごとに「やる気スイッチの入り方」が異なります。

だからこそ、管理職であるあなたに求められるのは、
「これをやりなさい」と指示するよりも、観察して特徴にあった言葉がけをしてみることなんです。
それが、部下たちのやる気を引き出し、
そして何より、あなた自身がもっとラクに、心地よく働ける環境づくりにつながると信じています。

まずは、あなた自身の午後の整え方から始めてみませんか?

ABOUT ME
さおりん
札幌でWebディレクターをしています。 ホームページ制作はもちろん、ブログやSNSを使った発信サポートをしています。