「あれ?昨日まで3位だったのに…」そんな経験ありませんか?
- 記事を100本も書いたのにアクセスが増えない
- 昨日は3位だったのに今日は圏外
- 頑張って更新しているのに、順位が安定しない
それなのに…なぜ?
実はそれ、自分のブログ内で記事同士が、順位を巡ってけんかをしている状態かもしれません。SEO用語で、「カニバリ」といいます。
SEOをがんばる人ほど、知らないうちに陥りやすい落とし穴。
それが「カニバリ現象」です。
カニバリとは、英語で正しくいうとカニバリゼーション(cannibalization)。「共喰い」という意味です。
SEOでは、同じキーワードを複数のページで使っていると、ページ同士で検索順位を奪い合ってしまう現象をいいます。
まるで同じお店の店員さんが、目の前のお客さんを取り合ってケンカしているようなものです。

同じキーワードで上位にあげたいページが複数あることで、ホームページやブログ全体のSEOに悪影響する現象なのです。
こんにちは。Webディレクターの白藤沙織です。
自分のホームページやブログを上位にあげたいと、せっせと記事を書くほど逆効果になるって聞いたらショックですよね。
カニバリが起こると、Googleも「どの記事を上に出せばいいかわからない…」と迷ってしまい、記事の順位が下がったり、評価が分散してしまいます。
でも安心してください。
カニバリはちょっと整理するだけで改善できる現象なんです。
この記事では、
- カニバリってなに?
- どうやって見つけるの?
- 直すにはどうしたらいい?
を、できるだけ簡単な言葉でお伝えします。
カニバリ解消の第一歩、一緒に踏み出しましょう!
そもそもカニバリって何?SEOの落とし穴?

カニバリとは、下記のように定義できます。
同じ検索キーワードや、同じ検索意図に対して、
同じドメイン上にある複数のページ(記事)が競合している状態のこと
たとえば、「ダイエット 札幌」という検索キーワードで、自分のブログに誘導して予約を得たいと考えているとしましょう。
「ダイエット 札幌」でダイエットしたい人のための記事をたくさん書きたくなりますよね。検索結果画面に、自分のブログ記事がずらって並んでいたら気持ちがいいものです。
でも、この状態はちょっと危険でもあるんです。
なぜなら、Googleの評価が分散してしまうからです。
Googleは「どちらを上に出すべきか」判断できず、
- 主役にしたいページの順位が安定しない
- 両方のページが中途半端に下がる
- 日によって検索結果が入れ替わる
という現象が起こります。これが評価の分散です。
さらに厄介なのは、「書けば書くほど」逆効果になる。
これが、カニバリの怖さです。
「検索結果画面に、自分のページが表示されているのだから、ページの順位が安定しなくてもいいんじゃない?」と思う方もいるはず。
でも、読者が特定のキーワードで検索して、あなたのA記事を見つけて気に入ったとします。改めてA記事を読んでみようと思って同じキーワードで検索したとき、順位の入れ替えが起こっていて、B記事が表示されたとしたら、記事がみつからなくなったと思ってしまうかもしれません。これは機会損失につながります。
「気に入ったなら、読者はブックマークしていて、また訪問できるのでは?」
と思うかもしれません。
でも、読者は期待した行動をとってくれるとは限りません。
どのページを上位に表示するかGoogle任せになってしまいます。
いいカニバリもあるの?
そうは言っても、検索結果画面に自分のブログ記事が1位~3位まで独占していたら、気持ちいいと思いませんか?
実は、カニバリにもよいこともあります。
それが、複数のページが同時に上位に表示されるケースです。
また、通販サイトでひとつひとつの商品を詳しく説明している「商品ページ」と、カテゴリで商品を一覧表示している「カテゴリページ」が同時に上位に表示されたときも当てはまります。
どちらも検索結果画面を占有できるのがいいことですよね。
読者に選んでもらえる確率が高まります。
では、直ちに改善したほうがいいカニバリと、そのままにしておいてよいカニバリはどのように見分けるとよいでしょうか?
これと言った正解を言えないので心苦しいのですが…
重要なのは、「主役に置きたいページの評価を食い合っているかどうか」という観点です。

いつも同じ記事が上位に表示されているのであれば、問題はないと考えています。
でも、検索意図が被って自分のブログ記事の中で検索順位が振れ続けるなら、改善が必要です。
カニバリの確認方法
原因がわかったら、次は「本当にカニバリなのか」を確かめてみましょう。
意外と簡単です。
カニバリを確認できる方法はいくつかありますが、無料でできる方法を2つ紹介します。
Googleサーチコンソールを使う
Googleサーチコンソールをお使いの方は、Googleサーチコンソールを開いてください。
次に左側のメニューから「検索パフォーマンス」をクリックします。

検索クエリの一覧が表示されたら、上位表示させたいキーワードをクリックします。
そのキーワードでどのページが検索結果に出ているかが見えます。
ここで、もし「似たような記事が何本も並んでる」場合は要注意。
右側に表示される「クリック数」や「表示回数」を確認し、自分が検索上位に表示させたい記事が多くなっているか確認してください。
主役にしたい記事が上位にきていて、その他の記事がほとんどクリックされていなかったり、表示回数が少なかったりするときは問題ありません。
上位ページで「クリック数」と「表示回数」が似通った数字になっているときは、カニバリで改善する必要があります。
とくに「主役にしたい=一番上にあげたい」記事が、クリック数や表示回数が多くなっているかどうかを確認してください。
Googleで直接検索してみる
Googleの検索画面で、検索するときに下記のように入力してカニバリかどうか調べる方法もあります。
site:自分のブログやホームページのURL 検索キーワード
と入力して検索してみましょう。URLと検索キーワードの間には、半角スペースを入力します。
似た内容の記事がズラッと並んだら、カニバリのサインです。
例を示すために私のブログを検索してみました。
同じキーワードで複数の記事が表示されています。
どちらの記事も「60歳 リモートワーク」という検索記事を想定していずに書いています。また、「60歳 リモートワーク」の月間検索数は「0」ですので、これはそのままにしていて問題ない事例です。
もし、想定しているキーワードで、複数の記事が表示された場合は、改善が必要となるカニバリの可能性が高いです。
サーチコンソールでも確認してみてください。
カニバリの修正方法
カニバリを修正する最大のメリットは、Googleが「このサイトはわかりやすい!」「上位表示しよう」と判断しやすくなることです。
そうすると、自分が力をいれて書いた「主役」の記事の順位が上がりやすくなります。その結果、自分のホームページやブログのアクセスが増える可能性が高くなります。
つまり、カニバリを直すと、サイト全体の評価が高まるということです。
では、カニバリの修正方法を具体的に書きますね。
対処法① 似た記事をひとつにまとめてパワーアップ【統合】
言いたいことが似ている記事は、一番評価の高い記事にまとめてひとつの記事にするのが一番早くて簡単な方法です。
ほかの記事のうち、良い内容は取り込んでひとつの記事にしましょう。
記事をまとめるときには、使わない記事のURLをコピーしておきましょう。
そして、使わない記事にアクセスがあったときは、自動的にまとめた新しい記事に飛ぶように設定すると、SEO対策しては万全です。
この設定を、「301リダイレクト」といいます。ワードプレスをお使いの方は、「リダイレクトを行うプラグイン」があるので、そちらを使用すると便利です。
その他の方は、サーバーにFTP接続して、「.htaccess」のファイルを編集することで可能です。
専門的な内容になりますので、この設定だけでも専門の方に頼んでもよいかもしれません。
対処法② 記事ごとに役割を決めてバッティング回避【差別化】
同じテーマの記事でも、この記事は「基本の解説用」、この記事は「実践編」というように、それぞれの記事の目的をはっきり分けるのも効果的です。
たとえば、「乾燥肌のお手入れ」をテーマに記事を書いているとします。
ひとつの記事は、お肌の感想はどのようにしておこるのか、皮膚の構造やしくみについて解説します。もうひとつは、乾燥肌によい化粧品の比較・お勧めの内容にします。
こうすると、テーマは同じですが、アプローチの方法が異なるので、想定される検索キーワードも変わります。これでカニバリが修正されることもあります。
対処法③Googleに「こっちが本物」と伝える【正規化】
「似たページがいくつもあるけど、このページがメインです!」とGoogleに伝えると、指定した記事のみ評価されるようになります。
「正規化」という方法で、「canonical(カノニカル)」といいます。
自分のホームページやブログの中で、重複している記事や似ている記事に対して、Googleに対して「このURL(アドレス)が本物なので優先して評価してください」という設定です。
ワードプレスをお使いの方は、SEO対策用のプラグインでcanonical(カノニカル)の設定ができます。
その他の方は、HTMLファイルを編集する必要があります。HTMLのhead要素に記述します。
【例】
<link rel=”canonical” href=”正規化するページのURL”>
カニバリの再発を防ぐコツ
カニバリはいつ起こるかわからないのですが、下記のことに意識してブログを運用しましょう。
SEOの順位を重要視する記事を書くときは、必ず「検索キーワード」を決め、記事のテーマを決めてから書き出しましょう。
過去の記事と記事の意図がかぶっていないかも確認します。
似たような内容になるときは、主役とする記事を決めて、その記事に情報を集めておきましょう。関連する記事は、内部リンクでつないでおきます。
ときどきは、Googleサーチコンソールや検索エンジンの「site:」コマンドで、カニバリを起こしていないか確認してくださいね。
まとめ : 検索順位が上がらないときはカニバリを疑う

ブログを書いても書いても、検索順位が思うように改善しないのは、カニバリを起こしているか疑いましょう。
カニバリは記事同士が、地位を奪い合っている状態です。
さらに記事を増やすのではなく、検索対象になる記事を減らす方が効果があります。
●今日からできるカニバリ対策3つ
- 主役記事を決めて他の記事は役割を変える
- 主役記事に301リダイレクトを設定
- canonicalで正規ページを指定
まずは、記事を整理しましょう。Googleにも読者にもわかりやすいホームページやブログを作っていきましょうね。