もしかしたら、
あなたもこんなふうに「自分は不幸」と思ったことがあるかもしれません。
「定年退職までもう少し。私、そのあと何をしているんだろう?」
「60歳の崖とか、あまりいいニュースを聞かない。定年で不幸になるって嫌だなぁ」
「不幸な人の思考パターンって、何だろう?」
「私も、知らないうちにはまっていたらどうしよう……」
これまで頑張ってきた自分だからこそ、
ふと立ち止まったとき、不安に飲み込まれそうになることがありますよね。
これまで積み上げてきたキャリアも、
大切にしてきた人間関係も、
「定年後、一気に崩れてしまうんじゃないか。」
「誰にも相手にされなくなるんじゃないか。」
そんなふうに感じることがあってもいいんです。
こんにちは。札幌でWebの仕事をしている白藤沙織です。
60歳になって、周囲には定年退職した人、もうすぐ定年を迎える人が増えてきました。友人たちと話していて、こんなことに気づきました。
一見マイナスに思える
「完璧主義」、「ネガティブ思考」、「過去への執着」
不幸につながると言われる思考パターンを持っている人ほど、意外と、60歳以降も豊かに生きている。
今日は、少し角度を変えて「ネガティブな感情が本当に不幸につながるのか」考えてみませんか?
「ポジティブにならなきゃ」と焦っていませんか?
定年後への不安が大きすぎて、
「ポジティブにならなきゃ」と焦ってしまう人は少なくありません。
「考えすぎちゃいけない」
「前向きに行動しなきゃ」
「弱音を吐いたら負けだ」
ついつい、自分の感情を否定してしまうのです。
でも、無理にポジティブにふるまうことは、とても苦しいものです。
否定がダメと、自分にNGを出しているからです。
本当は不安でいっぱいなのに、「そんな自分じゃだめだ」と思ってしまう。
心の奥にたまった不安は、気が付いたら大きなストレスになって、身体の不調あるいはメンタルの不調として現れることがあります。
大切なのは、ポジティブをがんばることではありません。
「今、不安を感じている自分がいる」
とそれをそっと認めてあげましょう。
とはいえ、これまで一生懸命がんばってきた人ほど、「弱いダメな自分」を許すのが難しいかもしれません。
でも、大丈夫。
不安を感じるのは、未来を大切に思っている証拠です。
ちょっと不幸な思考パターンが、あなたを守ってきた
もし今、自分を責めたくなる瞬間があるなら、
こう考えてみてほしいのです。
あなたを不安にさせる、その「ちょっと不幸な思考パターン」=ネガティブな思考は、これまでの人生で、あなたを守ってきた大切な知恵だったのだと。
実は、この考え方は心理学の研究でも裏付けられているんですよ。
ちょっと難しい話をしますね。ミシガン大学のジュリー・ノーレム教授は「防衛的悲観主義」という概念を研究し、将来起こる確率の高い問題を予測してあらじめ準備する人は、長期的に見ると良い結果を得ることを実証しました。
具体的には、「もし失敗したらどうしよう」と考えて準備する人たちは、実際に困難に直面した時により効果的に対処でき、結果として目標達成率が高いことがわかっているんです。
つまり、ネガティブな感情には、
ちゃんと「自分を守る」という役割があるんです。
たとえば、
- リスクを想定して慎重に行動する
- 最悪の事態を想定して備える
- 「うまくいかないかもしれない」と思うから努力する
これらはすべて「ネガティブな思考パターン」が生み出した「生きる知恵」だったんです。
だから、まずは自分にこう言ってあげてください。
「今までよくがんばってきたね」
「慎重だったから、ここまでこれたんだよ」
ネガティブな思考を責めるのではなく、
自分を守ってきた大切な力として、そっと認めてあげましょう。
不幸な状況から脱出できる「ちょっとネガティブな知恵」
では、これからからはどうやって、この「ちょっとネガティブな知恵」を活かしていけばよいのでしょうか?
ポイントは、「不幸になりそうな思考パターンを使いこなす」ことです。
やることは、めっちゃシンプルです。
落ち込む日を予定する
楽しい予定はすぐにスケジュール帳に書きますよね。
それと同じように、とことん落ち込む日をあらかじめ決めます。
落ち込む日にはシールを貼って、もう予定を書き込めないようにするのもいいかもです。
その日は、センチメンタルな音楽を聴いて、泣ける映画を見て、「あー、今日ダメだー」ってベッドに潜り込んでいましょう。
予定通り落ち込めば、それはもはや成功!
「またひとつ、自分と仲良くなれた日」と考えてください。
がんばらなかったリストをつくる
「今日できたことリスト」ではなく、「がんばらなかった」リストを書いてみましょう。
- 洗濯を後回しにした
- 友達の誘いを断った
- 寝坊しても許した
これも立派な自分をいたわる実績。
「やらなかったことリスト」で、自分を許す力を育てていきましょう。
誰にも言わない野望リストをつくる
心の中に秘めている小さな「野望」を書き出してみませんか?
- 屋久島に行きたい
- 小説を書きたい
- 女優になりたい
- 海外移住してみたい
人には言わない、自分だけの野望リスト。
書くだけで、ちょっと心がわくわくしてきます。
孤独スケッチを楽しむ
孤独は、怖いものじゃありません。
でも、ひとりでいると、やっぱり寂しい…
そんな風に感じる時は、ちょっと考え方を変えてみませんか?
- カフェでコーヒーを飲みながら読書する。
- 図書館で咲く桜を見つめて、そっとため息をつく。
- 夕暮れの公園で「私の人生これからだな」とつぶやく。
せっかくひとりで寂しいのだったら、映画のワンシーンみたいに、自分の孤独をスケッチしてみましょう。
孤独は、あなたをの心を豊かに育てる「静かな友だち」みたいな存在です。
ネガティブな私も、ちゃんと幸せになれる
最後に、あなたに届けたいことがあります。
たとえ、不安を抱えたままでも、
たとえ、不幸な思考パターンを持っていても、
ネガティブな自分がいても、
あなたはちゃんと幸せになれます。
これも「防衛的悲観主義」研究で説明できます。
将来の問題を想定して準備する人は、楽観的に考えるだけの人よりも、実際の課題に直面した際の対処能力が高いので、長期的な目標達成においても良い結果を出せるんです。
むしろ、ネガティブな感情を持てる人ほど、
現実に向き合い、小さな変化を積み重ねる力を持っています。
定年退職後は、新しい価値を育てるチャンスです。
だから、夜中に「不幸になりそうな人の思考パターン」を検索してしまっても大丈夫。
未来を想像して、自分の行きたくない方向を確認できたあなたは、もうすでに明るい方向に歩きだしています。
未来のあなたへ 小さなワーク
今日から、未来への小さな一歩を踏み出してみませんか?
- 「やってみたいこと」をひとつメモする
- 図書館で気になる本を手に取る
- 近所を散歩して、風のにおいを感じる
そんな小さな種が、
やがてあなただけの花を咲かせてくれるはずです。
これまで頑張ってきたあなたへ。
これからも、自分を大切に、未来を育てていきましょう。
一緒に、笑いながら進んでいきましょうね。